
円仁会株式会社の上村です。
非常勤看護師の時給4,000円について発信したところ、多くの反響をいただきました。
「時給4,000円は高すぎるのではないか」
「そこまで支払う必要はあるのか」
このようなご意見も少なくありませんでした。
確かに、時給という数字だけを見ると高く感じるかもしれません。
しかし、経営者として見ると、少し違った景色が見えてきます。
時給だけでは人件費は見えない
人件費の議論では、「本人が受け取る給与」に注目されることが少なくありません。
しかし、事業者が実際に負担しているコストは、それだけではありません。
常勤看護師を1名雇用する場合でも、
- 給与
- 賞与
- 社会保険料の事業主負担
- 有給休暇
- 採用費
- 教育・研修費
- 福利厚生
- その他の雇用関連コスト
など、さまざまな費用が発生します。
これらを含めた総人件費を年間の実労働時間で換算すると、時給ベースで約5,000円前後になるケースも珍しくありません。
もちろん、地域や経験年数、事業所の運営体制によって差はあります。
それでも、「時給4,000円」という数字だけを切り取って高いと判断することは、経営の実態を十分に反映した見方とは言えないでしょう。
人材への投資がサービス品質を支える
訪問看護は、人が価値を生み出す事業です。
だからこそ、専門性の高い看護師に適正な報酬を支払うことは、単なるコストではなく、事業への投資だと考えています。
働きやすい環境が整えば、人材が定着しやすくなります。
人材が定着すれば、教育が蓄積され、サービス品質も向上します。
その結果として、利用者様やご家族への価値提供につながり、事業の持続的な成長にも結び付きます。
経営は「総コスト」で判断する
経営において重要なのは、一つの数字だけで判断しないことです。
人件費は給与だけではなく、採用・育成・定着まで含めた総コストで考える必要があります。
さらに、その人材が生み出すサービス品質や組織への貢献まで含めて初めて、「適正な報酬」が見えてきます。
時給4,000円が高いか安いか。
その答えは給与明細だけでは判断できません。
総人件費と人材が生み出す価値を合わせて考えることが、持続可能な訪問看護経営につながると、私たちは考えています。