
円仁会株式会社の上村です。
今回は「年間500万円の固定費削減。その目的はコストカットではなく採用力の強化でした」について、お話します。
訪問看護ステーションのコンサルティング初日。
まず着手したのは売上向上策ではなく、固定費の見直しでした。
「直行直帰」のはずなのに駐車場が25台分
その事業所では「直行直帰」を運用方針として掲げていました。
しかし実際にはスタッフ用駐車場を25台分契約しており、月額費用は約50万円にのぼっていました。
もちろん、駐車場が必要なケースもあります。
しかし、本当に直行直帰が機能しているのであれば、これほど多くの駐車場契約が必要なのかという疑問がありました。
現場の運用を確認すると、
- とりあえず出社する
- 訪問後に何となく事務所へ戻る
- 情報共有のために事務所へ集まる
といった習慣が残っており、制度と実態にギャップが生じていました。
20台分を解約し、年間約500万円を創出
そこで運用を整理し、本当に必要な台数を再検討した結果、20台分の契約を解約しました。
その結果、
- 月額約40万円の削減
- 年間約500万円の削減
を実現することができました。
ここだけを見ると、単なるコストカットの話に見えるかもしれません。
本質はコストカットではない
重要なのは、削減額そのものではありません。
経営において本当に大切なのは、
「何を削るか」
ではなく、
「生まれた経営資源をどこに再配分するか」
です。
固定費の見直しは目的ではなく、より価値の高い投資を行うための手段に過ぎません。
削減した500万円を採用と待遇改善へ
訪問看護事業において、人材確保は最重要課題の一つです。
採用市場で選ばれる事業所になるためには、給与水準だけでなく、働きやすさを含めた職場環境の整備が欠かせません。
今回生まれた年間約500万円の原資は、
- スタッフの待遇改善
- 採用活動の強化
- 教育体制の充実
- 業務効率化への投資
など、事業成長につながる領域へ再投資することができます。
「働きやすさ」は制度ではなく設計
直行直帰という仕組みも、掲げるだけでは意味がありません。
- 情報共有の仕組み
- マネジメント体制
- ICT環境
- 業務フロー
これらが整って初めて機能します。
働きやすさも採用力も、精神論ではなく設計によって生まれるものです。
経営とは資源配分を決める仕事
今回の取り組みを通じて改めて感じたのは、利益も採用も組織づくりも構造で決まるということです。
固定費削減そのものがゴールではありません。
生まれた資源を人材や組織に再投資し、持続的に成長できる仕組みをつくることこそが経営の本質だと考えています。
訪問看護事業においても、経営は精神論ではなく構造です。
限られた経営資源をどこに配分するのか。
その積み重ねが、採用力や組織力、そして事業の成長につながるのだと思います。