
円仁会株式会社の上村です。
今回は訪問看護における「移動手段の設計」について、お話します。
移動手段は“経営設計”の一部である
当社の訪問看護ステーションにおいて、経験10年・年収700万円超の理学療法士から、ある提案がありました。

「車ではなく、バイク訪問に切り替えたい」
理由はシンプルで、「より効率的に訪問したい」というものです。
この提案に対し、当社では屋根付きバイクの導入とあわせて、バイク訪問者への手当制度を整備しました。具体的には、月3万円(年間36万円)の手当支給です。
生産性を高める移動設計
バイク訪問に切り替えることで、現場には明確な変化が生まれます。
- 駐車場を探す時間が不要になる
- 渋滞によるストレスが軽減される
- 結果として、1日の訪問件数が伸びる
つまり、「移動の非効率」を取り除くことで、スタッフ一人あたりの生産性が高まります。
訪問看護において、移動時間は避けられないコストです。
しかし、その設計次第で、“ロス”にも“価値”にも変わる領域でもあります。
スタッフ満足と経営合理性の両立
この取り組みの本質は、単なる手当の話ではありません。
- スタッフにとっては、収入向上と働きやすさの向上
- 会社にとっては、車両維持費や駐車場コストの削減
という、双方にとってのメリットが同時に成立しています。
いわゆる「現場の要望」は、設計次第で“コスト増”にもなり得ます。
しかし、構造的に捉え直すことで、経営メリットへ転換することが可能です。
「わがまま」を構造で活かす
現場から上がる声は、時に「わがまま」と捉えられがちです。
ただし、その背景には必ず業務上の非効率や負荷が存在しています。
そこに目を向け、仕組みとして再設計することで、
- 生産性
- 定着率
- 利益構造
これらを同時に改善することができます。
当社では、こうした小さな改善の積み重ねを「個別最適」で終わらせず、再現性のある仕組みとして設計することを重視しています。
移動手段ひとつをとっても、それは単なる現場判断ではなく、経営の一部です。
「働きやすさ」と「収益性」はトレードオフではなく、設計によって両立できる。
その一つの具体例が、今回のバイク訪問の取り組みです。